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0206 国語の部屋メーリングリスト                               TOPへ戻る

020602 メーリングリストでの発言記録

☆授業実践のヒントになるかもと思われる発言をピックアップしました☆


目次    

02060201  『五十年後の町の姿と、私の夢』作文マニュアル【生徒向け】
02060202  「星占い作文」でユーモア表現を楽しむ」(野村智明さんのホームページ「授業づくりの村」より)【参考実践紹介】
02060203  海の中の声(水口博也  光村中1)教材研究


02060201 発言者 井上秀喜                        
Date: 2001年5月9日 (水) 午後11時08分
Subject: 『五十年後の町の姿と、私の夢』マニュアル

みなさん、こんにちは。

町からよく生徒に作文を書いてほしいというような要請がありますね。今回は、下のような《手引き》《マニュアル》を作成しました。何か役立つところがあれば、うれしいのですが。

《手引書》――――――――――――――――――――――

ヤングマンのみなさんに町からお願いが届きました。内容は、五十年後に開くタイムカプセルに入れる『五十年後の町の姿と、私の夢』(原稿用紙二枚)を小学校5年生から中学三年生までの全員に書いてほしいということです。また、そのタイムカプセルには、みんなのクラス写真も入れることになっています。

みんなの何人かは、多分この五十年後このタイムカプセルを開封する式に参加することになると思います。

作文に書いてほしい内容は次のような内容だと思います。五十年後増穂町がどうなってほしいか、その夢を語ってほしい。
そして、みなさんは、五十年後、つまり六十五歳ぐらいになった時にどんな大人になっていたいか、大きな夢のつまった作文を書いてほしいということだと思います。

では、作文の苦手な人も多いと思いますので、《簡単作文作成法》を書きます。

人間は、こんなことできないかなと思うようなことを次々と実現してきました。例えば、鳥のように空を飛びたい。はじめは実際に鳥の羽根をつけて山の上から飛び降りるようなことをやった人もいたでしょう。でも、だめでした。ところが、なんとエンジンを搭載してその推進力を生かしてライト兄弟が初飛行に成功しました。違う形で夢を実現したのです。

では、五十年後どんな町に増穂町になってほしいのか、みんなの夢をこめて作文を書いてください。

例えば、皆さんが朝学校まで登校して来る間の町がどうなっているか、そんな未来の町並みの実況中継を書いてもいいでしょう。
人々は、どんな生活をしているか書いてもいいでしょう。具体的なイメージを描いてほしいです。

次に、五十年後の自分の姿を、高校卒業後どんな生活をし、どんな人とめぐり合い、どんな結婚をし、どんな子供が生まれて、その子どもたちも結婚し、今六十五歳のあなたは何をしているだろうか、あなたの《サクセスストーリー》《理想の人生》《ドリームライフプラン》を楽しみながら書いてみるといいでしょう。

取り組み日程
5月8日(火)原稿用紙と説明書配布 5月14日(月)第一次提出日
5月17日(木)最終提出日                                                                      〈このページの目次へ戻る〉


02060202 発言者 井上秀喜
Date: 2001年5月20日 (日) 午前5時20分
Subject: 情報【作文実践】
☆一言コメント☆ 野村智明さんのホームページ「授業づくりの村」の中に「「星占い作文」でユーモア表現を楽しむ」というおもしろ作文実践を見出しました。その紹介発言です。
オリジナルホームページは…http://homepage1.nifty.com/dohoku/jyugyounomura.htm

みなさん、息抜きに使えそうな作文ネタを紹介します。

道北サークルページ http://homepage1.nifty.com/dohoku/index.htm
に載っています。

《引用開始》…………………………………………………………………

小学校/国語/短作文

「星占い作文」でユーモア表現を楽しむ

野 村 智 明 e-mail:EZB07655@nifty.com

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新聞の星占いをまねて、自分の来週の運勢を書く。ユーモアのある表現が生まれ、楽しい授業となる。原実践は石川晋氏。サークルの仲間・小野敦司氏のレポートをもとに追試したものである。

<準備>北海道新聞日曜版  日曜版「アリアドーネ・ユウコの星占い」(人数分) 
 星占い作文用紙(人数分)  

北海道新聞の日曜版を提示する。どのような記事があるか、大まかに見せる。

この中に、星占いがあります。今週のみなさんの運勢が出ています。

「アリアドーネ・ユウコの星占い」の部分をあらかじめ印刷しておき、それを配布する。
自分の星座の名前を赤鉛筆で囲ませる。

自分の今週の運勢を読んでみましょう。
他の星座のところも読んでみましょう。 

『今週一番の運勢は何か』『今週あまり運勢のよくないのは何座か』をきく。こうしてみていくうちに、星占いの中に書いてある◎○△×などの記号の意味が分かる。

来週の自分の運勢を、自分でつくってしまいましょう。

星占い作文用紙を配布する。

4種類の運勢がたった74文字の中におさまっています。74文字の中に入れる書き方の秘密を「アリアドーネ・ユウコの星占い」の中から見つけましょう。

3分間1人調べをして、その後グループで話し合いをする。子どもたちが見つけた、書き方の秘密は次の通り。

・句読点を多く使う。
・一文を短く。
・「です」「ます」「でしょう」などを省く
・助詞を減らす
・ハードな英語を使う
・なるべく漢字を使う
・大事なことだけ書く・・・・

それでは、アリャドーナッテンネ・○○の星占いを書いてください。

10分後、読み方の例として教師の作品を紹介する。出来上がった作品を、グループ頃発表し合う。各グループよく書けている作品を1点ずつ選出し、学級全体の場で発表する。

<児童の作品>

6年女子 H子  天秤座 2月25日〜3月3日
健康運上昇。今欲しいものが手に入る。人助けをして、金運&勉強運アップ。ストレスがたまっているなら、ペットと遊ぶこと。来週からあなたの人生はゆず色に。愛情△健康◎金運◎勉強◎

6年男子 S男  牡牛座 2月25日〜3月3日
スポーツで、スノーボードの大会でみごと優勝するかも。優勝すると家ですし5人前特上だ。健康では体ばっちり。勉強では、たぶん中学ではよいと思う。(英語)愛情×健康◎金運◎勉強○

6年男子 M男  牡牛座 2月25日〜3月3日
金銭運サイコーお金が空から降ってくるかも。健康運サイコー風をひかずに元気に過ごせるでしょう。愛情運サイテー自分の親が実の親じゃないと気づくときがくる。愛情×健康◎金運◎勉強◎      
                                                                                           〈このページの目次へ戻る〉


         02060203 発言者 井上秀喜
         Date:  2002年5月9日(木) 午前6時06分
     Subject:  《教材分析》海の中の声(光村1年)


みなさん、おはようございます。井上秀喜です。
光村の中学1年教材の「海の中の声」の教材分析をしてみました。
この分析は、二つのメーリングリストに流しますことをご了承ください。
二つの観点からしました。
ひとつは〈文分析〉。
主語・述語などの文法用語を使わずに、大きな文の成分をつかむための《疑問詞置き換え分析》です。わたしの文分析で、おかしいところがあれば教えて下さい。
この説明文・記録文は、主語述語形式の連体修飾語が多いように思います。文構造が捕らえにくい感じがしました。
もう一つは、《ネーミング術語教材分析》。
この教材の内容や特徴を短い言葉で表現したのが、ネーミング術語です。
さて、この教材では、何を中心に押さえようか今考え中です。みなさんのお考えなど教えて下さい。

海の中の声   水口博也

 かつて〈イツ〉、クジラやイルカの祖先は〈何は〉、陸上生活をする哺乳類の仲間から〈何から〉分かれて、大洋に〈ドコに〉生活場所を〈何を〉移した。
《進化論書き出し》

かといって〈つなぎ言葉〉、大洋の真っただ中が〈ドコが〉彼らの主な生息場所ではない〈何ではない〉。ただ同じように深い海底が広がる海は〈ドコは〉、空間の広がりの割には栄養分が少ない、いわば海中の砂漠だ〈ナニだ〉といっていい。むしろ〈つなぎ言葉〉、島や岬が海中の流れを乱して、海底の栄養分を巻き上げる場所にこそ〈ドコに〉、多くの海洋動物が〈何が〉集まってくる。
《意外事実》《一般的事実説明》

 太平洋の深さ三千メートルもの深みから一挙に海面までそそり立つ、メキシコのレビヤヒヘド諸島の周辺には〈ドコには〉、多くのクジラやイルカ類が〈何が〉集合する。もちろん〈つなぎ言葉〉、ここだけでなく〈ドコだけでなく〉、大洋に点在する島々の周りや、湧昇流とよばれて深みから海面に向かう流れを生じる海域は〈ドコは〉、たいていは〈ドレクライ〉生物の豊かな海である〈何である〉。
《具体的場所説明》《具体例説明》

 実際、レビヤヒヘド諸島の一つ、ソコロ島の海での観察を始めてから〈イツから〉、イルカが姿を見せない日は〈何は〉なかった。朝に夕に〈イツ〉ボートの横を〈ドコを〉泳いでは、海面ごしにのぞきこむ僕たちに〈誰に〉向けて、海中から〈ドコから〉視線を〈何を〉投げかけていく。彼らは〈何は〉、メキシコ本土からこの島への航海のとちゅうでくり返し目にした、外洋性のマダライルカやマイルカではなく〈何ではなく〉、沿岸性のハンドウイルカである〈何である〉。
《筆者の観察場所説明》《筆者の観察対象説明》《具体的証拠事実》

 この海で〈ドコで〉、僕たちは〈誰は〉しばしば〈ドノクライ〉海に〈ドコに〉もぐって、海中の観察も〈何を〉試みた。小魚は〈何は〉、いたる所で〈ドコで〉群れを〈何を〉なして、銀鱗をきらめかせながら川のように〈ドノヨウニ〉流れていく。海の青みの向こうからふいに現れた大きな影は〈何は〉、 マンタ (オニイトマキエイ)〈何〉 。ときには〈イツ〉畳二枚分ほどにもなるこの巨大なエイは〈何は〉、 じゅうたんのようなひれを〈何を〉優雅に〈ドノヨウニ〉波打たせて、再び〈ドノヨウニ〉青みの中に〈ドコに〉とけこんでいく。
《海中の生物実況中継文体》《リアルタイム説明文体》
△(オニイトマキエイ)《正式名称かっこ》

 やがて魚たちの影が周りから消えたとき〈イツ〉、深い海底ははるか下方にあって、自分の体がとめどない青さの中にただよっていることに〈何に〉気づく。今目に映るのは〈何は〉、海面から深みに向けて、波にゆれながら吸いこまれていくいく条かの光の帯だけだ〈何だけだ〉。
○ここまで《視覚描写》

 しかし〈つなぎ言葉〉、この海には〈ドコには〉、海底からわき上がるような、抑揚の効いた音が〈何が〉とぎれることなく〈ドノヨウニ〉響いている。ときには〈イツ〉海全体を震わせ、あるいは紺青の水にしみ入るように響く不思議な調べは〈何は〉、ザトウクジラが深みから発する声である〈何である〉。四十トンもの巨体が放つ声は〈何は〉、水中にいては〈ドコでは〉、耳で聞く〈何〉というより、体全体でその震動を感じとるといったほうが〈何が〉ふさわしい。
○この部分は《聴覚描写》《体感描写》
《題名関連事実1 ザトウクジラ発生音》

 この響きは〈何は〉、かつて〈イツ〉深海の不気味な生きものの声として〈何として〉船乗りたちを〈誰を〉おそれさせ、あるいは〈つなぎ言葉〉悲しげな調べが〈何が〉彼らの心を〈何を〉とりこにした。しかし〈つなぎ言葉〉今では〈イツ〉、ザトウクジラの繁殖の季節に〈イツ〉、雄が〈何が〉ほかの雄との間に一定の空間を保つために〈何のために〉響かせるものと考えられている。
《過去現在対比説明》《ザトウクジラ音目的説明》

 焼けつくような太陽の下で〈ドコで〉、一日を小さなボートの上ですごす僕たちは〈誰は〉、ほてった体を冷やすために〈何のために〉海に〈ドコに〉すべりこむ。そんなとき〈イツ〉、海中には〈ドコには〉いつも〈ドノヨウニ〉ザトウクジラの声が〈何が〉響きわたっていた。
《ザトウクジラの声いっぱい海中》

 かつて〈イツ〉海の中は〈ドコは〉「沈黙の世界」と〈何と〉たとえられた。しかし〈つなぎ言葉〉、実際には〈ドノヨウニ〉さまざまな音に満ちた世界である〈何である〉。ソコロ島の海に〈ドコに〉入って耳を〈何を〉すませば、クジラの声だけでなく〈何だけでなく〉、さまざまな音色が〈何が〉聞こえてくる。遠くの岩礁で波がくだける音、海底にすむ無数の小さなエビが発するパチパチとはじけるような音、 そしてピュウピュウという笛を吹くような澄んだ声は〈何は〉イルカたちのものだ〈誰のものだ〉。
《聴覚描写》
《過去現在対比説明》
《題名関連事実2 波くだけ音 小エビ音 イルカの声》
△「沈黙の世界」《たとえかぎかっこ》《ネーミングかぎかっこ》

 ある日〈イツ〉、いつもと同じように〈ドノヨウニ〉、 僕は〈誰は〉太陽に焼かれた体を冷やすために〈何のために〉、水の中へ〈ドコへ〉もぐりこんだ。わずかなうねりが〈何が〉体を〈ドコを〉ゆらしていくだけで、辺りには〈ドコには〉何も〈何が〉なく、僕は〈誰は〉ただ青いベールの中に〈ドコに〉ただよっていた。

 ふと〈ドノヨウニ〉ピュウピュウというイルカたちの声を〈何を〉耳にした。ギリギリときしむような音も〈何も〉混じって聞こえている。おそらくは〈判断言葉〉イルカたちは〈何は〉、巧みに音をあつかいながら〈ドノヨウニ〉、水の濁りの向こうから〈ドコから〉、水中にいる僕を〈何を〉とらえているのだろう。
《対象物リサーチイルカ音》

 まだ〈ドノヨウニ〉姿は〈何は〉見えないけれど、少しずつ大きくなる声は〈何は〉、彼らが接近しつつあることを〈どんなことを〉教えている。やがて〈いつ〉、かすかな濁りの向こうに〈どこに〉黒い影が〈何が〉現れ、はっきりと〈ドノヨウニ〉イルカの姿を〈何を〉現しながら僕に〈誰に〉向かって泳いできた。

 こうして〈つなぎ言葉〉、最初の一頭が〈何が〉僕のすぐ横を〈ドコを〉通りすぎた。そのとき〈イツ〉、彼が起こした水の動きは〈何は〉、直接〈ドノヨウニ〉僕の肌を〈ドコを〉刺激した。そして〈つなぎ言葉〉、何頭かが〈何が〉それに〈何に〉続いたかと思うと、いつの間にか〈ドノヨウニ〉一群のハンドウイルカに〈何に〉囲まれていた。
 彼らのなめらかな皮膚の質感や、 泳ぎながら僕をとらえる目の動きを〈何を〉、はっきりと〈どのように〉見てとることができる。すでに〈ドノヨウニ〉海中には〈ドコには〉、ピュウピュウという声が〈何が〉とぎれることなく〈どのように〉聞こえている。彼らは〈誰は〉この声で〈何で〉――もちろん今僕たちに、その意味はわからないけれど――たがいに〈誰と〉コミュニケーションを〈何を〉とりあっている。
 数頭が〈何が〉もつれるように〈どのように〉泳いでは、ふいに〈どのように〉散らばり、再び〈どのように〉ひとかたまりに〈何に〉なる。まだ小さな子イルカを連れた母親の姿も〈何が〉混じっている。この日〈イツ〉出会ったのは〈どうしたのは〉、数十頭からなる大きな群れであった〈何だった〉。
 ある二頭の動きは〈何は〉重なりあって、まるで一つの生きもののように〈何に〉見える。彼らは〈誰は〉しばしば〈どのくらい〉胸びれや尾びれで〈何で〉相手の体に〈何に〉触れあい、なでるように小刻みに〈どのように〉動かしたりもした。イルカたちは〈何は〉声だけでなく〈何だけでなく〉、たがいの接触によっても〈何でも〉意思や感情を〈何を〉交換しているのだろう。
《筆者のイルカ観察実況中継文体》《接近観察法》

 かつて〈イツ〉イルカの観察や研究と〈何と〉いえば、水族館で行われたものを〈何を〉除けば、多くは〈どのくらい〉船や海岸から〈どこから〉、彼らが海面上に見せる背びれや背中の一部を〈何を〉頼りに〈何に〉行われた。しかし〈つなぎ言葉〉、今〈イツ〉海の中へ〈どこへ〉いっしょに〈どのように〉入って、彼らの行動を〈何を〉ありのままに〈どのように〉観察できるようになって〈どうなって〉わかったことは〈何は〉多い。
《過去現在対比説明》《過去現在観察法説明》

 子イルカは〈何は〉少なくとも〈どのくらい〉二、三年は〈イツ〉母親のすぐそばで〈どこで〉暮らすこと、 いくぶん成長した若いイルカたちは〈何は〉自分たちだけのグループを〈何を〉作ることなど。やがて〈イツ〉成熟した雌は〈何は〉自分の子供を〈何を〉もつように〈どうするように〉なり、雄は〈何は〉親しい二、三頭の群れを〈何を〉作って雌よりも広い範囲を〈どこを〉泳ぎ回るようになる。
 しかし〈つなぎ言葉〉、若者や雄の群れ、親子たちは〈何は〉、折にふれて〈どのように〉ひとときを〈なにを〉いっしょに〈どのように〉すごすこともある。この日僕が海中で出会ったイルカたちは〈何は〉、そんな混合群だったのだろう〈何だっただろう〉。
《イルカの生態説明》

 今〈イツ〉母親から〈何から〉はなれて、小さな子イルカが〈何が〉若者たちといっしょに〈何と〉たわむれている。彼らは〈何は〉こうして〈どのように〉、仲間との暮らし方を〈何を〉少しずつ〈どのように〉身につけていくのだろう。ふいに聞こえたピュウというひと声で〈何で〉、いちもくさんに〈どのように〉母親のもとへ〈どこへ〉帰っていった。
《母親帰れコール》

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