『説明的文章の読み方指導』大西忠治著・明治図書・1981年初版発行  からの学び   TOPへ戻る

柱の文・段落と柱以外との関係の整理  〈 思考ユニットとの比較 〉

柱と柱以外の関係  大きく三つのパターン
T 柱をくわしく説明している

U 例や事実で柱をわかりやすくしている

V 柱の、理由・条件・前提をのべている

T  柱=柱をくわしく説明している    四パターン

柱の文全体をくわしく説明しなおしている

明治以前の文学では、自然というものが非常に重んぜられていました。 テイル判U
        ‖
「花鳥風月」といって、天地自然の風物の美しさをめで、あるいは四季の移り変わりに人生の無常を感ずるなど自然に対する感じ方、考え方が文学の基礎になっていました。 テイル判U
        +
そして、人生や社会は、多くの場合、自然を通してながめられ、自然に託して表現されていたのです。 テイル判U

P135  「1文が柱の文、23文は1文をくわしく説明した文と考えられる。」

思考ユニットでは、1文のいいかえが、2・3文の文塊とみる。2・3文は、並び。

柱の文の一部をくわしく説明している

二つめの窓は話しことばが個性味を帯びるということである。 ナニ判U
        ‖        ↑…思考ユニット
個性味というのはその人らしさということである。 構文素文   ナニ判U

P135  「1文が柱の文で、2文は1文の〈個性味〉ということばを、ぬき出してそれを説明している。」

思考ユニットでは、ドンナ構文素文の独立・あるいは補足的くりこみとみる。( 上では、構文素文の独立として表示してある。 )

柱の文を別のことばでいいなおしている。

ギリシャ文化の成立を、その自然的環境にばかり帰すのは行きすぎにちがいありません。 ドウ判U
         ‖
別の民族を同じ土地に住まわしたとしても、はたしてあのようにすぐれた文化を築きあげることができたかどうか、はなはだ疑問です。 ナニ判U

P135   「1文が柱の文であると考えられる。そして2文は1文が言いうる、その理由をのべたものだとも考えられるのである。しかし、実際には、この2文は、1文の理由としては充分な文ではない。もちろん1文のように述べられるための充分な根拠にもなっていない。たんに、別のことばで、同じことを言いなおしたにすぎないと考えるほうがいいかもしれない。」

思考ユニットでは、いいかえ。

柱の内容を分類して、箇条書きにして説明している。
この研究から四つのことがわかった。 ナル判U
          ‖
1、たき火、動植物の脂肪を……
        +
2、西洋の燈火は、上からつるして……

P136   「1文が柱である。23文は、1文の柱の文の〈四つのこと〉を、箇条書きにして、くわしく述べているわけである。」

思考ユニットでは、予告的いいかえか。