0112 西川純氏の『学び合い』からの学び    TOPへ戻る

学び合いの授業報告から考えたこと

はじめに
私は、西川純氏の『学び合い』の授業づくりに興味を持っています。そこで、『学び合い』の実践家のみなさんのブログを拝見して、考えたことなどを書き込んでいく予定です。みなさんのご意見などをお寄せいただければ、ありがたいと思います。
mvr27755とbiglobe.ne.jpを@マークでつなぐと、私の連絡先になります。


011201 学び合いの授業レポート「きつねの窓」からの学び

山梨の実践家「Kawa-nakajimaさん」が、同僚の国語の授業の様子を報告なさっています。「きつねの窓」という作品の授業だそうです。
まずは、その報告を以下転載させていただきます。

Kawa-nakajimaの日記 山梨で『学び合い』を!  http://manabiai.g.hatena.ne.jp/i-Kawa-nakajima/

国語の授業報告     2009-12-12  22:16  http://manabiai.g.hatena.ne.jp/i-Kawa-nakajima/20091212/1260623807

本日の授業は「きつねの窓」という話です。子ども達は前の時間に直接叙述されていないことで読み取れることをノートに書きました。先生はそれらをまとめてプ リントにしました。今日は、そのプリントを子ども達に配布して理由を持って納得できたらノートに書き写して、納得できなかったら短冊にどうして納得できな いのかを書き込むという授業を行いました。
プリントにかかれた子ども達の読み取った事について自分と異なった読み取りを受け入れて読み取る幅を広げる事を目的にしたようです。
授業が始まりしばらくすると子ども達は活発に情報交換をしたり同意を求めたり、納得できない読み取りについて考え始めます。そして、プリントにかかれている ものが誰の読み取りなのか知りたくなります。子ども達は先生に殺到してその読み取りは誰が書いたか?を聞きます。当然の流れです。最初から誰の読み取りか を書けばよかったと思います。〜手の内は可能な限りさらしておく〜です!
子ども達はとんちんかんな読み取りについても丁寧に自分の読みと違うことを語ります。そしてなぜそのような読み取りをしたのか聞きます。間違っていたら討論の輪ができます。そして盛り上がります。
今回は先生がその輪に入ってしまいました。そのことによって何が起きたかというと、なかなか学習に向かえない子ども達が見えないところで遊んだり じ〜と待つことになります。先生が助けてくれると思うからです。後から聞くと先生がおもしろくなってついつい話し合いに参加してしまった!とのこと。〜先 生は全員をよくする存在である〜事も肝に銘じたいと思いました。
今回の授業で反省する点はたくさんあったと思います。でも何より子ども達が90分(2時間続き)ほとんど脱線することなく一生懸命に考えた事は特筆すべき事です。

この報告を拝見して、子どもたちは一生懸命に学習課題に取り組んだろうということはよくわかります。そこで、私は、次のようなコメントを書き込みました。

2009/12/13 06:37 の 私のコメント
はじめて、書き込みをします。山梨の公立中のいのっちです。長野のセミナーでytkさんとご一緒させていただきました折、先生のことをお聞きしました。
国語での学び合いの授業の課題はどうするのだろうかというのが、現在私がよくわからずに困っている点です。
この授業でお使いになった子どもたちの読みの一覧表プリントをぜひ拝見したいと思いますが、可能でしょうか。
というのは、子どもたちがどのようにこのプリントを使って学びあったのか具体的な様子がイメージできないのです。例えば、教材文のこの部分からこんな読み取 りをしたというような情報が書かれたプリントなのか、ただ単に読み取り内容だけ書かれたプリントなのかによって、授業の様相が変わってきます。どの部分か らどんな読み取りをしたのかという情報が入っていれば、なぜその読み取りをしたのかという推測もしやすいというメリットはあります。もし、読み取りだけの内容ならば、その読み取りの根拠となるのは教材文のどこになるのかを見つけ、その妥当性を検討するということが学びあいの内容になり、かなり難しい課題に なります。
ともあれ、これからも国語の授業の様子をお知らせください。

そして、Kawa-nakajimaさんからお送りいただいた「子どもたちの読み取りの内容一覧」は、次のように三つのジャンルに整理されていました。詳しい読み取り内容については、資料提供をいただいた先生からの許可が取れていませんので、省略させていただきます。
(詳しい内容を知りたい方は、山梨の実践家「Kawa-nakajimaさん」にお問い合わせください)

ぼく
1 
2 
3 
4 (ぼくについての読み取り内容が
5  15個書き込んである)
6 
7 
8 
9 
10
11
12                      
13
14
15
きつね
16
17
18
19  (きつねについての読み取り内容が)
20   15個書き込んである)
21
22                          
23
24
25
26
27
28
29
30
きつねの窓について
31   (きつねの窓についての読み取り内容が、二つ書き込まれている)
32

子どもたちの読み取りの内容一覧から分かること・感じたこと

・ぼく、きつね、きつねの窓の3点に絞って読み取らせている。焦点化されていて、検討しやすいと私は感じました。
・前時の授業で子どもたちが読み取った内容だけを列挙した一覧表であることが分かりました。したがって、本時の授業では、教材文のどの叙述からその読み取りが導き出されたのか子どもたちは推理し、その叙述からその読み取りが理由つきで導き出されるなら「納得し」、そうでなければ「どうしてその読み取りが導き出されたのか、その読み取りをした子どもの考えを聞き取り」最終的に「納得できるか」「納得できないか」考える授業になると推測しました。
・前時の課題は「直接叙述されていないことで読み取れることをノートに書きました」ということなのですが、「直接叙述されていること」も含まれています。「直接叙述されていないことで読み取れる内容」についても、その読みが成り立つ可能性の高いものと低いものとが混在しています。
例えば、直接叙述されている読み取り内容の番号だけ以下に列挙します。
3  6  9  16  17  
例えば、可能性の低い読み取り内容の番号だけ以下に列挙します。。
2  12   24  20
例えば、可能性の高い読み取り内容の番号だけ以下に列挙します。。
1  22
可能性の高い低いがつけられない読み取り内容の番号だけ以下に列挙します。。
5 
上の番号の子どもたちの具体的な読み取り内容は、省略してありますので、詳しい内容をお伝えできませんが、お許しください。

子どもたちの学び合いの内容をさらにあきらかにするために必要な資料
この授業では、読み取りの内容の妥当性を検討しあうことが授業の中心課題であると私は判断します。したがって、理由を持って納得できたらノートに書き写して、納得できなかったら短冊にどうして納得できな いのかを書き込むという授業なので、「@納得できた読み取りはどの番号のものか、A納得できない読み取りはどの番号の読み取りで、納得できない理由として何が書いてあるのか」の2点を検討することによって、国語の授業として子どもたちの力を伸ばすことができたのか検討できると思われます。ですので、これらの資料が提示されれば、さらに学び合いの授業についての検証が深められると思います。

Kawa-nakajimaさんへ
ブログでは、まとまった形でコメントしにくいので、このような形で授業について感じたことを書かせていただきました。いただいた資料から、推測する部分も多く、誤りもあるかと思いますので、ご意見をお寄せいただければありがたいです。また、この授業をなさった先生にもこのページをご紹介いただき、コメントなどいただければ大変ありがたく思います。
(2009.12.23 記)

Kawa-nakajimaさんへ
子どもたちの読み取り内容まで(2009.12.23)の時点で公開してしまい、申し訳ありませんでした。もし、子どもたちの読み取り内容を知りたいという方から問い合わせがありましたら、私にお送りいただいた「子どもたちの読み取り内容一覧(エクセルファイル)」をご紹介いただければ、ありがたく思います。
(2009.12.30 記)


人目のご訪問、ありがとうございます。 カウンタ設置 2009.12.23