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はじめに

このページには、授業に役立つ朗読に関係する資料を少しずつ掲載していくつもりである。私自身、朗読の仕方など特別に教わったことはないので、的はずれなところがあると思うので、お読みいただき、ここはこうだとか、ここは誤りである、などというアドバイスをぜひ、メールでお送りいただければと思う。

0401 朗読の記号づけについて

 朗読力を向上させるには、どのように読むのかという台本を作ってみることが有効だと思う。渡辺知明さんの「ことば・言葉・コトバ」という「表現よみ」などの情報を発信なさっているサイトが、大いに参考になる。
 そのサイトの中の「表現よみのすすめ」から、「記号づけ」の仕方を、以下まとめてみた。

〈記号づけ 例「走れメロス」の冒頭〉

(1)メロスは/激怒した。
(2)(必ず、かの_邪知暴虐の王を/除かなければならぬ)と_決意した。
(3)メロスには/〈政治〉がわからぬ。
(4)メロスは、村の牧人である。
(5)笛を吹き、羊と遊んで/暮らしてきた。

〈記号の種類とその意味〉

※基本的に間(マ)や区切りの記号は、句点「。」や読点「、」の後にはつける 必要がありませんので、注意してください。

A 語りの構造を分析する記号  

a 直接話法による人物のコトバ(記号不要)  
b カギのつく間接話法のコトバ 『 』(原文の「 」と区別)
――aもbも「登場人物が声に出したコトバ」です。aは、普通「 」がつい ていますので、つける必要はありません。bは、「 」がついていない場合に 『 』をつけます。  
c 地の文に組み込まれた人物のコトバ ( )
――登場人物の心の中のコトバ(内言)を( )で囲います。  
d 語り手によるアクセントのコトバ  〈 〉
――語り手が特定の語句に強調の意味をこめたところです。

B 息継ぎの間と区切り  

a 間(マ) /
――原則として、句点、文頭の主語や文頭の接続語のあと、地の文から会話に 入る前、会話と会話のあいだなどです。口を閉じると同時に、鼻から一気に息 を吸うところです。それまでよんだ内容をイメージにまとめるとともに、次を よむために意識を集中させます。  
b 区切り  /
――読点では区切ってよみます。ほかに、文法的なまとまりを示す区切り、文 の意味をはっきりさせる区切り、音声表現の効果をあげる区切りなどがありま す。口は閉じずに開けたままで、次の語句のよみにそなえます。bはaよりも 時間的に短い間(マ)です。  
c ツナギ  (、) ( 読点を( )で囲む )
――読点がついていてもつなげてよんだ方がいいときに、(読点を( )で囲む) かたちでつけます。  
d 切りかえ _
――語句のあとを区切るのではなく、意識を集中させて意味をつなげます。(1) ある語句が次の語句を飛びこえてつながる場合、(2)長い修体(連体修飾部)が まとまって名詞につながる場合と、二た通りあります。区切りや間(マ)とち がって、ネバるようなよみ方になります。