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010401 思考ユニット記号一覧 【外字登録番号表】
思考ユニットを表す記号を一覧表にしました。下記の外字番号に指定の外字を登録してください。
代用の欄には、外字登録していない方でもこのホームページ上で表示できるように井上が代用記号を考えました。
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | |
F040 | ![]() |
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代用 | ↓ | ↑ | + | [⇔対比] | ‖ | [Q] | [A] | [呼] | [応] | […→] |
A | B | C | D | E | F | |||||
F040 | ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||||
代用 | [行→展] [刺→反] (順接) |
[行→展] [刺→反] (逆接) |
[行→展] [刺→反] ( 順・補 ) |
[行→展] [刺→反] ( 逆・補 ) |
[⇒](順接) | [⇒](逆接) | ||||
0 | 1 | |||||||||
F050 | ![]() |
![]() |
||||||||
代用 | [↓↑] | [くりこみ] |
010402 思考ユニットの整理
…湯澤正範氏の『日本語のかたち 考え方のしくみ』(文芸社)を、井上が一覧表に整理してみました。ただし、整理した内容は井上が理解した内容をまとめたものですので、正確でない部分、あるいは間違いなどがあるかもしれません。例文等は、本に載っているものです。
ページは『日本語のかたち考え方のしくみ』の該当ページです。
以下引用部分が長く続きますので、まず、目次をつけます。目次から該当部分へジャンプすることもできますし、ジャンプ先から目次へ戻ることもできます。
第7章 ニ文間に時間的展開のない思考ユニット | |||
第1節 | 構文要素の独立 | ||
A1 イツ・ドコ要素の独立 | |||
A2 ダレは・ダレが構文要素(主語)の独立 | |||
A3 ドノヨウニ構文要素(会話・内話)の独立 | |||
A4 ドノヨウニ構文要素(修用語)の独立 | |||
A5 ナニを構文要素(目的語)の独立 | |||
A6 ナゼ構文要素の独立 | |||
A1〜A6までの構文要素の独立の説明 | |||
A7 そそぎ(連体修飾部)の独立 | |||
A8 陳述部・先走りの独立 | |||
A9 条件句の独立 | |||
第2節 | 並び | ||
第3節 | 対比 | ||
第4節 | いいかえ | ||
第5節 | 呼応 | ||
第8章 ニ文間に時間的展開のある思考ユニット | |||
第1節 | 継起展開 | ||
第2節 | スルト型展開 | ||
第3節 | ソコデ型展開 | ||
第4節 | 事―想展開 | ||
第5節 | くりこみ展開 |
第7章 二文間に時間的展開のない思考ユニット
第1節 構文要素の独立 (P67〜87)
A1 イツ・ドコ構文要素の独立
イツ構文要素の独立 ( 2年 力太郎 )
|
構文素文 | ||||||||
イル判断文T |
ドコ構文要素の独立 ( 4下 一本の鉛筆の向こうに )
|
構文素文 ナル描叙文 |
A2 ダレは・ダレが構文要素(主語)の独立 ( 3下 虫のゆりかご )
|
構文素文 テイル描叙文 |
例1 ( 2上 スイミー )
|
スル描叙文 構文素文 |
例2 ( 2 お手紙 )
|
構文素文 スル描叙文 |
A4 ドノヨウニ構文要素( 修用語 )の独立 ( 3上 つり橋わたれ )
|
スル描叙文 構文素文 |
A5 ナニを構文要素( 目的語 )の独立 ( 2上 スイミー )
|
スル描叙文 構文素文 |
A6 ナゼ構文要素( 理由などの補足説明 )の独立 ( 1下 きりかぶの赤ちゃん)
|
ナル描叙文 構文素文 |
基本文〈単文…主語・述語からなる1文〉の構成要素 を次のように考えてみる。
スル型文〈行動文〉
イツ | ドコで | ダレは | ナゼ ナンノタメニ |
ナニを | ドノヨウニ | ドウスル |
アル・イル型文〈存在文〉
イツ | ドコに | ダレは | ドノヨウニ | アル イル |
しかし、実際の文は、上の要素をすべて備えているわけではない。
時として、変則的に一つ(複数の場合もあるが)の要素を独立させた1文と、それを統括する1文、つまり2文で表現することがある。
A1の イツ構文要素の独立の例文 では ドコに ドノヨウニ の二つの要素を欠く1文として表現できる内容を、2文で表現している、と考える。
イツ | ドコに | ダレは | ドノヨウニ | イル |
とんと昔 | × | それはもう、まずしいじいさまとばあさまが | × | おった |
イツ構文要素の独立 の2文 での表現
1 | イツ。 | とんと昔。 |
2 | ダレは イル。 | それはもう、まずしいじいさまとばあさまがおった。 |
思考ユニットでは、上の2文を一つの文塊ととらえ、「とんと昔。」という〈イツ要素文〉を、「それはもう、まずしいじいさまとばあさまがおった。」という述語をもつ文が、統括しているとする。それを、わかりやすく図示するために、〈イツ要素文〉から〈述語をもつ文〉に向かう記号[↓]をつけ、四角く2文を囲む枠をつける。
思考ユニットでの分析図
|
構文素文 イル判断文T |
…イツという要素のみの文 …イツ要素文を統括する文 |
A2のダレは・ダレが構文要素(主語)の独立の例文 では イツ・ナゼ・ナンノタメニ・ナニを という要素を欠く次の1文を、2文で表現している、と考える。
イツ | ドコで | ダレは | ナゼ ナンノタメニ |
ナニを | ドノヨウニ | ドウスル |
× | あちこち | 一まいの葉っぱの上に、ちょこっと乗った黒っぽい小さな虫 | × | × | 何かをさがすように | 歩き回っている。 |
ダレは・ダレが構文要素(主語)の独立 の2文 での表現
1 | ダレ。 | 一まいの葉っぱの上に、ちょこっと乗った黒っぽい小さな虫。 |
2 | ドノヨウニ ドコを ドウスル。 | 何かをさがすように、あちこち歩き回っている。 |
思考ユニットでは、上の2文を一つの文塊ととらえ、「一まいの葉っぱの上に、ちょこっと乗った黒っぽい小さな虫。」という〈ダレが要素文〉を、「何かをさがすように、あちこち歩き回っている。」という述語をもつ文が、統括しているとする。それを、わかりやすく図示するために、〈ダレが要素文〉から〈述語をもつ文〉に向かう記号[↓]をつけ、四角く2文を囲む枠をつける。
思考ユニットでの分析図
|
構文素文 テイル描叙文 |
…ダレがという要素のみの文 …ダレが要素文を統括する文 |
「イツ構文要素の独立」「ダレは・ダレが構文要素(主語)の独立」と同様に、「ドコ構文要素の独立」「ドノヨウニ構文要素(会話・内話)の独立」「ドノヨウニ構文要素(修用語)の独立」「ナニを構文要素(目的語)の独立」「ナゼ構文要素(理由・目的の補足説明)の独立」という思考ユニットがある。
A7 そそぎ( 連体修飾語 )の独立 ( 1下 くじらぐも )
|
ナル描叙文 構文素文 |
…基となる文 …主語の補足説明 |
文を構成する基本的な要素をもつ1文の中の「ダレが( ナニが)」「ダレを(ナニを)」の補足説明をする「そそぎ(連体修飾部)の独立」という思考ユニットがある。
A7の1文は、下のような構文要素をもつ。A1からA6までの構文要素の独立は、述語を持つ文〈基となる文〉の欠けている要素文を独立させたものである。
それに対してA7の「そそぎの独立」は、主語「大きなくじら」が「ドンナくじら」であるか補足説明する1文が、続く。
|
…基となる文 |
|||||||||||
[↑] | ||||||||||||
|
…主語の補足説明 |
A8 陳述部、先走りの独立 (3上 三年とうげ)
|
構文素文 ナル描叙文 |
A9 条件句の独立 ( 中3 握手)
|
ナニ判断文U 構文素文 |
第2節 並び(P87〜103)
B1 典型的な「並び」 ( 3下 あなたはだれ )
|
ナニ判断文U ナニ判断文U ナニ判断文U |
B2 認知の型が違う「並び」 ( 1下 どうぶつの赤ちゃん )
|
テイル伝達文 ナル伝達文 |
B3 複雑な「並び」 ( 2上 スイミー )
1 | にじ色のゼリーのようなくらげ。 | ナニ描叙文仮 | |||||
[+] | |||||||
2 | 水中ブルドーザーみたいないせえび。 | ナニ描叙文仮 | |||||
[+] | |||||||
3 |
|
ナニ描叙文仮 | |||||
4 | 構文素文 | ||||||
[+] | |||||||
5 | ドロップみたいな岩から生えている、こんぶやわかめの体。 | ナニ描叙文仮 | |||||
[+] | |||||||
6 |
|
ナニ描叙文仮 | |||||
7 | 構文素文 | ||||||
[+] | |||||||
8 | そして、かぜにゆれるもも色のやしの木みたいないそぎんちゃく。 | ナニ描叙文仮 | |||||
第3節 対比(P103〜116)
(1) 一般的対比 (2上 たんぽぽのちえ)
1 | よく晴れて、風のある日には、わた毛のらっかさんは、いっぱいにひらいて、遠くまでとんでいきます。 | ナル判断文T | |
[⇔対比] | |||
2 | でも、しめりけの多い日や、雨降りの日には、わた毛のらっかさんは、すぼんでしまいます。 | ナル判断文T |
(2) 前置き的対比 (2下 おへそって、なあに)
1 | わたしたちのおへそは、今は、なんのはたらきもしていません。 | テイル判断文T | |
[⇔対比] | |||
2 | でも、わたしたちがおかあさんのおなかの中にいたときは、とても大切なはたらきをしていました。 | テイル判断文T |
第4節 いいかえ(P116〜135)
(1) 一般的いいかえ (2下 スーホの白い馬)
1 | でも、白馬は、弱りはてていました。 | テイル描叙文 | |
‖ | |||
2 | いきは、だんだん細くなり、目の光もきえていきました。 | ナル描叙文 |
(2) 裏返し的いいかえ (2上 えいっ)
1 | くまの子は、なにも言いません。 | ドウ描叙文 | |
‖ | |||
2 | だまって、何か考えています。 | テイル描叙文 |
(3) 予告的いいかえ (動物の能力)
1 | 一度上の動物園で、こんなことがあった。 | アル判断文T | |||||
‖ | |||||||
2 |
|
テイル描叙文 | |||||
3 | スル描叙文 |
(4) まとめ的いいいかえ (4上 アナトール、工場へ行く)
|
構文素文 | ||||||||||||||||||||||
スル描叙文 | |||||||||||||||||||||||
構文素文 | |||||||||||||||||||||||
スル描叙文 | |||||||||||||||||||||||
スル描叙文 | |||||||||||||||||||||||
スル描叙文 | |||||||||||||||||||||||
スル描叙文 | |||||||||||||||||||||||
‖ | |||||||||||||||||||||||
8 いくらさがしても、本当のアナトールは見つかりません。 | ナル判断文T |
第5節 呼応 (P135〜143)
「呼応」の例文は、文章の初めと終わり部分にあることが多いので、その位置を示すため、文章に通し番号を付け、その番号を例文につけてある。
(1) 問いと答え (3上 ありの行列)
4 | [Q] それなのに、なぜ、ありの行列ができるのでしょうか。 | ナル伝達文 | |
32 | [A] このように、においをたどって、えさの所へいったり、巣に帰ったりするので、ありの行列ができるというわけです。 | ナル判断文U | |
【全34文】 |
実際は第1〜4文塊と第5〜34文塊が、「問い」と「答え」の関係になっているが、便宜上それぞれの中心文、第4文と第32文を代表としてあげてある。
(2) その他の呼応 (2下 おへそって、なあに)
1 | [呼] おへそは、わたしたちがおかあさんとつながっていたあとなのです。 | ナニ判断文U | |
2 | [応] おへそは、わたしたちがおかあさんのおなかの中にいたとき、おかあさんとつながって生きていたしるしです。 | ナニ判断文U | |
【全25文】 |
第8章 二文間に時間的展開のある思考ユニット
第1節 継起展開(P144〜160) (1下 どうぶつの赤ちゃん)
1 | ライオンの赤ちゃんは、生まれて二か月ぐらいは、おちちだけのんでいますが、やがて、おかあさんのとったえものをたべはじめます。 | スル判断文T | |
[…→] | |||
2 | 一年ぐらいたつと、おかあさんがするのを見て、えもののとりかたをおぼえます。 | スル判断文T | |
[…→] | |||
3 | そして、じぶんでつかまえてたべるようになります。 | ナル判断文T |
第2節 スルト型展開(P160〜180)
(1)行為―展開
例1 順接の場合 (1上 だれにあえるかな)
1 ぴょんは、けやきのしたにねそべりました。 | スル描叙文 | ||||||
[行→展](順接) | |||||||
|
イル描叙文 | ||||||
テイル描叙文 |
例2 逆接の場合 (1上 大きなかぶ)
|
スル描叙文 | ||||||
構文素文 | |||||||
[行→展](逆接) | |||||||
3 けれども、かぶはぬけません。 | ドウ描叙文 |
(2)刺激―反応
A 「認知―反射」 客体の状況認知→主体側の反射的反応・行動 (1下 きりかぶの赤ちゃん)
1 | はだかのきりかぶにゆきがふりかかるのは、なんだかつめたそうで、いたそうです。 | ドウ描叙文 | |
[刺→反](順接) | |||
2 | のねずみが、かれ草を一本もってきて、ひつじのさわぎが聞こえます。 | スル描叙文 |
B 客体間で、刺激となる一方の動きのとらえ→もう一方のそれに対する反応のとらえ (1上 はなのみち)
1 | あたたかいかぜがふきはじめました。 | ナル描叙文 | |
[刺→反](順接) | |||
2 | ながいながい、はなのいっぽんみちができました。 | ナル描叙文 |
第3節 ソコデ型展開 (P181〜194)
例1 順接の場合 (1下 どうぶつの赤ちゃん)
1 | ライオンの赤ちゃんは、じぶんではあるくことができません。 | スル判断文U | |
[⇒](順接) | |||
2 | よそへいくときは、おかあさんに、口にくわえてはこんでもらうのです。 | ナル判断文U |
例2 逆接の場合 (1下 どうぶつの赤ちゃん)
1 | ライオンは、どうぶつの王さまといわれます。 | ナニ判断文U | |
[⇒](逆接) | |||
2 | けれども、赤ちゃんは、よわよわしくて、おかあさんにあまりにていません。 | テイル判断文U |
第4節 事―想展開 (P195〜207)(3上 ヤドカリのすみかえ)
1 | はじめ、このヤドカリは、相手の貝がらを回したり、入り口にはさみをつっこんだりしました。 | スル描叙文 | |
[↑↓] | |||
2 | 貝がらの大きさや、きずをしらべているようです。 | テイル判断文U |
第5節 くりこみ展開 (P208〜225)
(1)一般的くりこみ展開 (1下 たぬきの糸車)
1 | むかし、ある山おくに、きこりのふうふがすんでいました。 | テイル判断文T | |
[くりこみ] | |||
2 | 山おくの一けんやなので、まいばんのようにたぬきがやってきて、いたずらをしました。 | スル判断文T |
第2文の「山おく」が「反復語句」。この反復語句によって第1文の情報が第2文にくりこむ。
(2)補足的くりこみ展開
|
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[行→展](順接) | ||||||||||
4 きっぷが出てきました。 |
上の例で、第1、2文は第3文にくりこんでいる。しかし、第4文に直接つながりをもっているのは、第1、2文である。このような場合、第3文は「補足的なくりこみ展開」であるとする。